ブルースターをつづる 序章④

ブルースターをつづる 序章④
 送っていかなくていいか、と何度も心配する瑠美と律希と駅で別れ、椎菜は自分の家に向かった。  木々の間を通り抜ける風が、椎菜の猫っ毛を揺らす。  椎菜の家から駅は徒歩三分。あの出来事があってから、母親たちが「明るい道の方が安心だから」と引っ越ししてくれた。  夕暮れに照らされて、歩きなれた道を進みながら、椎菜はぼんやりと今日の出来事を思い出していた。 (先輩たちと仲良くなれて、いろんなこと話せて……すごく素敵な人たちだった)  律樹と瑠美のかけあいが面白かったな、と自然に笑いがこぼれた。  こんなに楽しかった帰り道は、実千花たちと以外では、初めてかもしれない。
はむすた
はむすた
森の奥でひまわりの種もぐもぐしてる、ハムスターです。 人間語も読み書きできるのでご安心を。 細かい自己紹介は、はむすたるーむと、100の質問とか見てもらえると嬉しいです。 アイコン・(し)ょうじょめ~か~ さま (*・×・*)♡ since 2022.11