第42話「魔激戦線」

 クルドがルーナの魔法で転移されてから、数十分。私とリュウ様を前線に、傲慢の悪魔・ルシファーとの攻防戦が繰り広げられていた。 「アンフィノス・ブレイズ」  私は上位炎魔法を詠唱し、天空に魔法陣を展開させる。そして徐々に隕石が生成されていき、蒸気を燃して放射される。  しかし、ボバリングする悪魔は常時バリアを展開させており、隕石が奴の体躯に接する事はなかった。軌道を逸らされた隕石は、炎を帯びながらはそのまま多方向に落ちていく。 「上位の魔法を使ってもこの程度か? なるほど。汝等のアドバンテージは頑強さのみか。悲しいことよ」  赤い目で私たちを見下し、罵詈雑言を浴びせてくる。全能に浸る彼のその様はまさに傲慢である。 「さっきからごちゃごちゃごちゃごちゃと……」  空中を浮遊していたリュウ様は風魔法を加速させ、一気に奴の間合に入ると、剣を勢いよく振るった。 「うるせぇんだよ!」  しかし、虚しくもバリアに弾かれ、リュウさんの体は後方に飛ばされる。
U2
U2
U2と申す物です。前に「U」というペンネームで活動していました。色々あって新たに「U2」として再始動することになりました! というわけで、これからもどうぞ、宜しくお願いします!