無題3
僕が死んでも誰も僕を憶えてくれている人は居ない。
死んでも命日だけが記憶されて命日まで僕を憶えているなんてないもの。
みんな1日を生きるのに精一杯で「今日で彼の三回忌だ」と言われてから
初めて「あの人は本当に素敵な人だった。」「あの人は本当に美しい人だった。」
って思う。その日だけは僕を弔い、僕を恋しがり、僕の好きだったもので埋め尽くす。
まるで今まで一緒に居た恋人や家族かのように。
次の日になれば燃え尽きているのにね。
ねぇ、君は僕を憶えていてくれる?
僕が死んだら泣いてくれる?
そう言って僕は花道へと足を進めた。
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カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2022/7/23 13:18
早瀬 柚真