2人ぼっちの私とココ

2人ぼっちの私とココ
私は街をぶらりと歩くのが好きだった。秋の午後、もみじの道を跳ねながら歩いているといつも遊ぶ公園に着く。ブランコも滑り台も好きだけど私はよく砂場で遊ぶ。今日はシャベルと秋色のバケツを持ってお城を作る予定だ。公園に入ると私は目を丸くする。砂場に誰かが座っている。 「こんにちは」 挨拶するとその人は振り向いた。頭に草が生い茂っていて花がちらほら咲いている。目は、まるで吸い込まれそうな深い緑色をしていた。 「こんにちは…君も砂場で遊ぶの?」 「あ、あなた!頭に草が生えてるよ」 びっくりしてそういうとその人はクスクスと笑い始めた。 「そうだよね。びっくりするよね!僕は木から生まれたから頭に草が生えてるんだよ」 「じゃあ木がお母さんなの?変なの」 男の子は公園の隅にあるどんぐりの木を指差した。 「あれが僕のお母さん。大きいよね」
ゆるる
ゆるる
本好きのゆるるです。 恋愛系 切ない系の物語を作りますゆるるの作品が貴方の心に灯ってくれると嬉しいです🌷✨ 🫧〜詩〜🫧 花の香りにふと撫でられ私はぽつりと風になる 優しさと美しさが光となって貴方に吹きますように。私の吹く文字という風が貴方の心の紙を奏でることを静かに願います 今日も私は物語を描いていく