地獄

気がつくと、灰色の空の下に立っていた。 風もなく、音もない世界。 ただひとつ、凛の後ろから声がした。 ――「死ね」 振り返ると、凛自身が立っていた。 泣きそうな顔で、あの日のまま。 「あなたが言った言葉だよ」
三秋 うらら
三秋 うらら