忘却センター

忘却センター
 科学技術の進歩は凄まじく、ついにAIをマイクロチップ化し、直接脳に埋め込むことに成功した。これにより、人間は膨大な量の情報を処理することが可能となった。また、一度入力されたデータは決して忘れることはない。  しかし、誰しも忘れたい記憶を持っている。忘れたくても忘れることができない。その苦しさに耐えきれず、自殺を試みる者もいた。  そこで政府は町の至る所に「忘却センター」を置いた。ここでは、希望する記憶の消去ができる。ただし、忘却するには「忘却税」がかかるのだ。  「忘却センター」ができてからというもの、人々はなだれ込むかのようにセンターへ駆けつけた。いつしか忘却税が国の財政を支えるようになっていた—  「昔の人間は滑稽だな。」  少年は、参照していた歴史ファイルを閉じた。
ほしのすみか
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はじめまして。一話完結型のSF短編小説を少しずつ投稿します。