2話 コウモリ

2話     コウモリ
「このままだと不法侵入になっちゃうよ。」 中性的な顔立ちが俺を見上げている。 青く綺麗な目は心をも見透かしかねない。 110の番号が打たれたスマートフォンを持つ手は少し震えているのに、 肩はゆっくりと上下し呼吸している。 気絶していたのは分かっている。 俺は夕方、 貸しビルのエレベーターに乗って、
ハシビロコウ
ハシビロコウ
人生初の友達に言われたあだ名。 心はカカポ。 画像は飼い主です。 シリーズ「宇宙のどこか」 作品集「未完成」、「シアター」ご賞味ください。