さらば、愛しきゴーストライターよ
『夜の帳が降りきる刹那、沈黙はふいに裂け、未だ名づけられぬ光に灼かれる。』
私は恋をした。
なんとなく手に取った、ちょうど嵩張らないサイズと厚みの本。開いて目に入った文面に、私は恋をしたのだ。この一文を見た瞬間、衝撃を受けた。そして同時に、感化もされた。家に帰って早々に筆を握り、メモアプリで書いては保存し、書いては保存する毎日である。多少の自信はあれど、やはり不安が勝つもので、SNSに投稿することは流石にはばかられた。
かの作家の名は、天原千歳。年齢も出身も全て公開しているのに、何故か性別のみ非公開の一風変わった作家である。天原先生の本は、必ずタイトルが二字熟語か四字熟語で、表紙も単色無地という地味っぷりを発揮するも飽き足らず、嵩張る事を知らないあのサイズである。他の本よりも何回りか小さいので、奥に入り込んでしまって見つけにくい。そう考えると、私と『霹靂』の出会いは億分の一と言っても過言ではないのだろう。実に運命的な出会いである。
兎にも角にも、愛だの恋だの全く興味のない私に、これが恋だと直感的に感じさせた事は、とんでもない偉業だろう。それも初恋なのだから、罪な男(?)である。積もり積もった愛は、やがてファンレターという形となって現れる。そのファンレターの返事は、ちゃんと私の元に届く。しかし、その内容はごく僅か。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/4/30 23:55
あいびぃ
初めまして、あいびぃです!
見つけてくれてありがとう♪
私自身、生粋のアニオタ・漫画オタなのでファンタジーが多めになってます…多分。
詳しいことは「自己紹介」にて!
まだまだ若輩者なので、応援よろしくお願いします!
※❤︎&コメはめちゃくちゃ喜びますので、私を喜ばせたい方は是非!
私の事が嫌いな方はオススメしません。