空き缶

カラカラ...夜の街に響き渡る空き缶の音、俺はその音を聞きながら外で酒を飲んでいる、辺りは一面真っ暗だ、車も走っておらず俺はこの時間がずっと続けばいいのにと思った、俺が黄昏ていると後ろからニコニコしながら缶ビールを持っている男が来た、コイツは俺の後輩だ、この男とは良く酒を交わす、でも何故だろう今日のアイツは何故か申し訳なさそうに俺に喋り出した、「先輩、俺来月でこの仕事辞めますね...」俺はビックリし過ぎて何も喋れなかった、ビックリしている俺を見て、後輩は「だからこうやって酒を交わすのはもう出来なくなってしまいます」俺は辞めると事止める事なく、「分かった、お前が決めたんだ俺は何も止めない、じゃあ後悔しない様に今日は宴をもう一度やり直そう」そう言うと後輩は嬉しそうに頷いたけど、どこか悲しそうだった、そして宴を開き直して、最後に色々お疲れ、と言う事で軽くハグをした....そして時が過ぎ 後輩が仕事を辞めていった、俺は誰も居なくなったオフィスで一人酒を飲んでいると、外からあの時と一緒の様に空き缶のカラカラという音が聞こえた、それ以来俺は夜にその音を聞くと、何故かアイツの顔を思い出してしまう様になった...
ゼン
ゼン