たとえそれが錯覚でしかなくても、
甘い香りに誘われて、オレンジ色の小さな星を探している時のことでした。
一際強く芳る木の下で彼を見つけた瞬間、夢から覚めたような感覚がしたのです。まるで今までの全ての記憶が霧散するような、それでいて忘れていた思い出が蘇ってくるような。
たとえそれが錯覚でしかなくても、私には十分でした。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2021/11/7 13:08
夜ヶ咲
ファインダーの向こう側、ずっと君を探している。/140字小説とその下書き
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