血を嫌う貴女に

血を嫌う貴女に
 ガヤガヤと五月蝿い週末のファミリーレストラン。  テーブルを挟み、幼馴染とその娘とが座っている。まだ、一歳半だ。食事がスムーズに行くことなど無く、必死におだてて、冷えてしまったお子様ランチを何度も娘の口に運ぶ。お子様プレートやテーブルの上は大惨事で、ぐちゃぐちゃに母親の格闘の痕跡が、家での苦労が見てとれた。 「ごめんね。遅くて。本当に」  心から申し訳無さそうに謝る彼女を見て私は、もう少し時間がかかる料理を選ぶべきだったと後悔した。幼児を連れた母親との食事に坦々麺を三分で啜り切ってはいけないのだ。 「いや。いいよ。今日暇だしゆっくり食べさせてあげて。」  入店してから二時間半は経過していた。それでも、彼女の皿と、お子様プレートには料理が残っていた。    幼馴染とは言ったものの、そこまで歳が近い訳ではない。ただ、家が近かったことと、彼女の家庭環境が杜撰だったので、子供の頃から関わりがあったのだ。
エズエシ
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