推す方法

 近頃は、好きな作品やキャラクターを『推し』というようになった。  「推しは、推せるときに推せ」などという言葉もよく聞くようになったと思う。  この推すという行為。方法は、幾千にも及ぶと思う。  分かりやすい所で言えば、グッズの購入だったり、ライブに行くことが推すことになるだろう。  だが、これはある程度の金銭的余裕がある人しかできない。私も最近になり、多少の金銭的余裕ができたので、グッズなどを購入することも多くなった。  お金がなかったころは、推しのことをSNSで発信することはしていたが、少しばかり何とも言えない複雑な心境になっていた。  もちろんのこと、「SNSで発信するだけなんて、推すことに入っていない」なんて暴論を言うつもりはない。どれだけ小さなことでも、魅力を伝えること自体が推すという行為だろう。  それでも、グッズを並べてある棚を作ったり、ライブで楽しんでいる様子を見ると、「俺はこんなことしかできていないのに……」と劣等感を抱いてしまう。自分でできる精一杯をやっていても、それを軽々と越えられる。どれだけやっても天才に追いつけない、という現実を突きつけられる。でも、好きだし……、という思いが自分の中でくすぶる。  どれだけやっても天才に追いつけない。悲しいが、それは現実としてある。  ならば、好きなようにできるということでもあるのではないか?
きと
きと
就労移行支援を経て、4度目の労働に従事するおじさんです。 あまり投稿は多くないかも知れませんが、よろしくお願いします。 カクヨム、エブリスタでも小説を投稿しています。