第八話 速攻

ボールがネットを揺らした後、ノーバウンドで俺はボールを取りに行った。何か腕が伸びたような気がして、手首からボールを絡め取った。地にバウンドしたボールは、俺の手が軌道に乗せた。グラウンドを駆け、二秒でゴールしたまで来た。ここまでの借りと大野先輩の期待に応えるように気分が高まり、ノってしまった。勢いのまま高くジャンプして、リングに手をかけた。ボールはそれと同じくリングに叩き込まれた。 ダンクを決めた俺は、思わずのガッツポーズを飛ばしてその後のディフェンス。あと残り時間は三分で、スコアは一〇二ー一〇一で一点リード中。緊張が走り、ふくらはぎがなにか震える。本当の緊張というものを味わっていた。相手も相手で、こちらのディフェンダーを二人、既に抜いてきた。ちょっと疲れが来た。はぁはぁと息切れする中で走らなければいけない。相手のスリーポイントシュートをする選手の前まで漕ぎ着けた。浮いたボールに手が触れた。でも、ボールは通常通りの起動を描いてリングまで吸い込まれた。もう、二分しかない。 次回 第九話 二種の汗
真夜中毒
真夜中毒
貴方は夜が好き? 私は好き。 でも人間は夜行性じゃないから、必ず母さんに叱られなきゃいけない。 こう見えて中受をする6年生で、まだまだ色々な意味で未熟。 私が未熟だろうと、そうではなかろうと、 どちらにせよ、結末的には夜を好きにならなければいけない道を歩むんだろう。