光
シャッターを切る音が、放課後の屋上に響いた。 夕日の光がゆっくりと傾いて、校舎の影を長く伸ばしていく。 「なあ、透。お前、なんでそんなに空ばっか撮るの?」 俺の隣でカメラを構えるのは、友人の蓮。 いつもは無口なくせに、レンズを向けるとやたら喋るタイプだった。 「空を見てるとできないことなんてないって思えるから。」 「お前、ポエマーかよ。」 そう言うと蓮は笑った。 その笑顔に、何枚もシャッターを切りたくなった。 写真部の部員は二人だけ。
叶夢 衣緒。/海月様の猫
叶夢 衣緒。/海月様の猫
少し投稿頻度落ちてます。 2023年 2月27日start 3月3日初投稿