巷説七五三縁起

巷説七五三縁起
 天和元年。時の将軍徳川綱吉は、守役の林算学を呼び寄せ次の様に問うた。 「この度、我が子徳松の健勝を祈願する行事を新設しようと思うが、いつが良いか」  算学これに答えて曰く 「七、五、三なり」  これが世に伝わる七五三の行事の起こりである。  さて、後年「なぜ七五三だったのか」と人に問われた算学は、首を捻ってこう答えたと言う。 「それが、某もさっぱりなのだ。なんせあの時は和蘭から入ってきた『そすう』とやらを暗記するのに夢中であったからなぁ」
泥からす
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短くて、変な小説を書きます。ノンジャンルです。