【第10回N-1】 『あ』
村のはずれ、審問所の一室で、取調べ官のヴァルドレクが神妙に口を開いた。
「君がアルヴェリオ君で間違いないね?
今日来てもらったのは他でもない。
先月起こった、とある事件についてだ。
君なら、言わなくても分かるだろう?」
アルヴェリオは両方の手首を縛られたまま、その快活そうな見た目からはまず想像もつかないような、しゃがれた声で話しはじめた。
「あ、何です?『ある事件』って?
全く見当もつかないのですが。 」
「ふふん、まあ最初はそう言うだろうな。」
ヴァルドレクは、おもむろに口角を上げた。元々しわの入っていた顔に、更にしわが寄った。その一つ一つが、彼の取調べ官としての功績のしるしであった。
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カテゴリー: ミステリー
投稿日時: 2026/8/8 7:09
道徳的な山羊
「後川」だった者です。17歳の若造です。「カクヨム」での投稿も始めました。
第七回N−1 12位 435点
第八回N-1 9位 318点
第九回N-1 8位 489点
King of Novelee vol.3 5位