別れ

別れ
「俺、引っ越すことになった」 3歳からの親友から、唐突に別れを押し付けられた、高二の夏。今日で夏期講習も終わって、明日から夏休みだ。 夏のぬるい風が教室のカーテンを揺らす。俺とあいつの沈黙は、セミの鳴き声で掻き消される。 「…そっか」 蚊の鳴くような声で呟く俺の言葉は届いただろうか。あいつは、成月は、俺の顔を見て笑った。 「なっさけねぇ顔!別に今生の別れじゃねぇんだから、な?」 …そんなに情けない顔をしてるだろうか。
星影 累
星影 累
勢いと思いつきで書いてます。 文才とかないです。 小説家とかを目指してるわけじゃないのでクオリティは求めないでね…笑 アイコンは自分絵