君と僕は永遠の共有者

君と僕は永遠の共有者
「生きる理由なんて、どこにも落ちていなかった」 彼は錆びついた手すりに体重を預け、濁った空を見上げていた。世界はあまりに機能的で、意味のない存在には居場所がないように思えた。何者かにならなければならない。何かの役に立たなければならない。そんな強迫観念が、薄い膜のように彼を包み、呼吸を浅くさせていた。 「ねえ、何を見てるの?」 不意に声をかけられた。隣に立っていたのは、いつかどこかで失くしたはずの、純粋な眼差しを持つ「君」だった。 君は、彼が抱えている空虚さを責めることも、励ますこともなかった。ただ、理由もなくそこにいた。 「僕には、君にあげられるものが何もないんだ」 彼は絞り出すように言った。 「お金も、才能も、明日への希望も。この空っぽな時間だけが、僕の持ち物のすべてだ」
泡の栞
泡の栞
はじめまして 名前の由来は 【泡のように消えてしまいそうな感情を栞を挟むように物語へ】です。 優しいのに苦しい、青春と喪失の物語をよく書きます