君と僕は永遠の共有者
「生きる理由なんて、どこにも落ちていなかった」
彼は錆びついた手すりに体重を預け、濁った空を見上げていた。世界はあまりに機能的で、意味のない存在には居場所がないように思えた。何者かにならなければならない。何かの役に立たなければならない。そんな強迫観念が、薄い膜のように彼を包み、呼吸を浅くさせていた。
「ねえ、何を見てるの?」
不意に声をかけられた。隣に立っていたのは、いつかどこかで失くしたはずの、純粋な眼差しを持つ「君」だった。
君は、彼が抱えている空虚さを責めることも、励ますこともなかった。ただ、理由もなくそこにいた。
「僕には、君にあげられるものが何もないんだ」
彼は絞り出すように言った。
「お金も、才能も、明日への希望も。この空っぽな時間だけが、僕の持ち物のすべてだ」
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2026/7/21 5:43
泡の栞
はじめまして
名前の由来は
【泡のように消えてしまいそうな感情を栞を挟むように物語へ】です。
優しいのに苦しい、青春と喪失の物語をよく書きます