第三十一話 昔話
僕はミノタウロスの亜人が去っていくのをただ眺めていることしかできなかった。彼女よりも気になることがあったからだ。なぜ、エルさんは『父様』という人物の素性を知っていたのか。魔女の過去に一体何があったのか。それが知りたくてたまらない。
「奴には小型の発信器を付けておいた。これで『暁の会』のアジトが分かるだろう」
彼女はそう告げるが、場は静まり返ったままだ。皆、同じことを考えているのだろう。重い鉛玉のような静寂を断ち切ったのはアルジオさんだった。彼は開口一番に「おい」と芯の通った低い声でその場を支配し、エルさんを睨みつけた。
「そんなことよりもだ。エル。お前何か隠してるな?」
「……」
エルさんは黙ったままだ。
「エルさん……」
ハイナが心配した様子で彼女を見やる。
それでもアルジオさんは問い詰めることをやめなかった。
「『父様』の本当の名前、ギロルっつったか? 何でその名前を知ってる? 俺達は仲間だ。チームだ。そうだろう? 隠し事の一つや二つには多少なりとも目を瞑るが今回ばかりは黙っちゃいられない。ジニアの存続、ひいては人と亜人の未来に関わることだ。話してもらうぞ。拒否権はねえ」
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2026/6/4 13:01
白崎ライカ
アニメ、ファンタジー、剣戟アクションが好きです。
自分の好きな時に書いてるので、
不定期投稿です。
温かい目で見て下さると作者は喜びます!
使用しているイラストは画像生成AIで作成したものです!
カクヨムでも連載を始めました!
よろしくお願いします〜