「終わり、」

「なぁ、瑞葉。後一年しか生きれないなんて言われたら何する?」 夕暮れ時、静かな帰路に2人の影が伸びる…なんてロマンチックな事はない普通の帰宅ラッシュで混み合った電車で隣に立つ幼馴染が聞いてきた。 高校2年。幼馴染とは物心つく前から一緒にいたー道原海斗。家が近いこともあり今でも一緒に帰っている。 「ん?何急に(笑)怖いんだけど〜」 「いや、、気になっただけ、」 見慣れたはずの整った横顔が見たことのない悲しげな表情を浮かべているように見えた。 「…んー。1年だったら受験しなくていいんだし思いっきり遊ぶよね(笑)楽しむしかないじゃん。生きれる80年分くらいを1年にまとめないといけないんだから忙しくなりそうだね。」 「そう、だな。」 いつも以上に冴えない海斗の受け答えに疑問を抱きながらもその日は解散となった。 次の週だった、“今から会えない?”そう海斗からメッセージが来たのは。
叶夢 衣緒。/海月様の猫
叶夢 衣緒。/海月様の猫
少し投稿頻度落ちてます。 2023年 2月27日start 3月3日初投稿