赤とピンクの境界線
「……しっ、静かに」
彼の手が私の口元を覆い、漏れそうになった吐息を塞ぐ。
ご近所への配慮なんて建前で、本当は私の声を自分ひとりで独占したいだけなんじゃないか。そう思わせるほど、彼の瞳は暗く、熱く、私を射抜いている。
玄関のタイルに膝をつき、絡み合う指先。
左手薬指の指輪が、私の肌をなぞるたびに小さな音を立てる。
「……声、出すなよ。俺の音だけ聞いてろ」
窄めた喉の奥で、行き場のない熱が暴れる。
シーツの摩擦音すらない、ただ二人の肉体がぶつかり合う鈍い音と、重なる唇の隙間から漏れる湿った音だけが、狭い玄関に響き渡る。
彼は私の反応を一つも逃さないよう、眼鏡の奥の瞳でじっと見つめながら、さらに深く、容赦なく突き上げてくる。
「……っ、ここで全部は無理」
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2026/3/24 15:50
最終編集日時: 2026/3/24 15:53
稟苺
小説を書いています。
短編・恋愛・幻想ファンタジー中心。
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