手のひら返し友の会

 俺は「手のひら返し友の会」に入会し、まる二年がたっていた。しかし、いまだに手のひらを返して誰かを裏切るなんてことができずに悩んでいた。 「佐伯、どうしたんだよ。しけた顔して」  振り向くと、そこには足立先輩がいた。先輩は俺よりも五年早く入会しており、この手のひら返し友の会のエース的存在だった。 「足立先輩、実は僕、この友の会に入ってから、ほとんど手のひらを返すことができてないんです。それで悩んでるんです」 「ははん。なるほどな。入ったばっかりの俺とそっくりだな」
アズマ
アズマ
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