最後の手紙

最後の手紙
『拝啓、世界一大切な人へ』  そんな言葉から始まる手紙。丸っこく大きさに少しばらつきのある字。  君が書くその字がとても好きだった。字だけじゃない。君の笑う顔も、たまに行く散歩のときに繋いだ手も。全部、全部好きだった。  君の病気を知ったのは去年の夏だった。
小鳥遊
小鳥遊
ただの小娘。少し気取りたかっただけ。