第四話 半知半能

第四話 半知半能
 「やりすぎだよアンタ。砦のやつら全員ぶっ倒してどうすんのさ」  あたしは何もかも知り過ぎた。だから前世ではあっけなく殺された。でもこの世界なら多分もっと長く生きていける。元ハッカーがさらに悪賢い能力を持って生まれなんてどんな皮肉さ。 「別に良いだろ。どうせどちらの味方でもないんだからよ」 「あんまり派手にやるとバレるよ。なんせこの世界には魔法があるんだから」  あたしはこの世界に生まれてからすぐに戦場を荒らし回るスナイパーと出会った。どういう因果なのか。コイツはロシア人で、あたしと同じようにどっかで殺されてからここに来たらしい。 「その魔法ってのがイマイチピンと来ねえんだよな。確かに俺のRT-20は魔改造されてるけどよ。コスパ度外視すれば現代でも作れそうってのがな」
影白/Leiren Storathijs
影白/Leiren Storathijs
実は26歳社会人です。 基本ライトノベル書きます。 異世界ファンタジー専門です。 執筆歴は10年以上です。