『名前を呼ばれない卒業式』

 体育館に、名前が一つずつ落ちていく。  呼ばれるたびに、拍手が起き、椅子がきしむ。  私は背筋を伸ばして待っていた。  自分の番が来ると、信じて。  けれど、最後の名前が読み終わっても、私の名は呼ばれなかった。  ざわめきの中で、先生が原稿を閉じる。  欠席者はいない。  間違いでもない。  私は気づいてしまった。  この一年、私は「出席」していただけだったのだと。
獅勇
獅勇
はじめまして だいぶ下手ですが良い作品を書けるように頑張ります!