声のしない場所で
今朝も、私(男)は真っ先に“藤崎 詩”の席を見た。
そこに座っていた彼女の姿を、もう五日も見ていない。
校内が不穏な空気に包まれていた。
担任の私にも、警察や保護者から何度も電話がかかってきた。
今から三ヶ月ほど前にも、彼女は忽然と姿を消したことがある。
その時は、噂が噂を呼び、教室ではざわめきが止まなかった。
彼女が十歳という幼い年齢だったこともあり、騒ぎは大きくなり、警察が動き出し、保護者への連絡網が回された。
まるで空白のような時間が過ぎ、ようやく彼女が見つかったのは、失踪から二日後のことだった。
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カテゴリー: ミステリー
投稿日時: 2025/7/1 16:38
最終編集日時: 2025/7/5 4:20
之助
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