声のしない場所で

声のしない場所で
今朝も、私(男)は真っ先に“藤崎 詩”の席を見た。 そこに座っていた彼女の姿を、もう五日も見ていない。 校内が不穏な空気に包まれていた。 担任の私にも、警察や保護者から何度も電話がかかってきた。 今から三ヶ月ほど前にも、彼女は忽然と姿を消したことがある。 その時は、噂が噂を呼び、教室ではざわめきが止まなかった。 彼女が十歳という幼い年齢だったこともあり、騒ぎは大きくなり、警察が動き出し、保護者への連絡網が回された。 まるで空白のような時間が過ぎ、ようやく彼女が見つかったのは、失踪から二日後のことだった。
之助
之助
こんにちは!学生です。 気軽に読んで頂けたら嬉しいです😌🍀 色々なジャンルに挑戦したいと思ってます!! いいね、コメント、フォローめちゃ嬉しいです💖 リクエスト等があればぜひ🙏✨