快楽のファシズム−逮捕−
第一章 逮捕
「58室、番号!」
施錠された分厚い鉄扉の小窓から、偉そうな刑務官が佐久間を睨みつけた。
佐久間は刑務官の態度に動じる事無く、夕食後の点検は普段と変わらない低い声で返答した。
「1038番」
東京拘置所D棟6階の独居房、58室に自分の声が微かに響いた。
事件は2020年12月28日の事だった。
いつものように覚醒剤密売の仕事を終えた佐久間だったが、この日はいつもより疲れが溜まっていた。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2022/10/13 13:11
最終編集日時: 2022/10/15 11:23
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
中山大二
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