三年間の告白

三年間の告白
「嫌い、貴方が大嫌い」  嗚呼、言っちゃった。墓場まで持ってくって決めてた言葉。決めてたけど、今日言おう、今言おうって思って、ついに言っちゃった。  嫌いって言われる辛さは私がよく分かってる。どうでも良い人から、嫌いな人からの言葉でも、それは心臓をもぎ取ってしまうんじゃないかってくらい辛い言葉。  君が私のことを好きだったんじゃないかって、ずっと前から気付いてた。自惚れなんかじゃない。君にとって私は特別だった。私は君に色んな初めてをあげた。初めて一緒に本を作って、初めてバイト先に招いてあげて、初めて一緒にカフェに行って……流れちゃったけど、今度、初めて遊園地に行く予定だったね。  全部君から誘ってきた。  だからこそ、辛かったよね。私に「大嫌い」なんて言われて。聞くまでも無いかな。だって君は、その言葉を聞いて酷く傷付いた顔をしていたのだから。私はそれに気付いてた。気付いてなお、言葉を続けた。一緒に過ごした三年間の、恨みを全て、包み隠さず、オブラートも無くして言った。  ねえ、私も初めてだよ。誰かに嫌いって告白したの。最悪な形で、君に初めてをあげてしまったね。  ……君は勘違いしていたんだよね?
月影羽
月影羽
作家志望の学生 好きな作家は芥川龍之介、太宰治、フョードル・D、東真直、夜咄頼麦etc. アイコン→みわしいば様