さようなら、そして、ありがとう。

赤の薔薇を5本、紫の薔薇を1本、かすみ草を1本入れた小さな花束を持った。そして、離任式を終えた先生の元へと急いだ。 あのっ、これ、っ、! 言葉足らずだったと後悔したが、それを悔いる暇もなく先生が泣き出してしまった。泣かせてしまったことに罪悪感を覚えながら立ちすくむ。 先生は泣きながら言った。 ありがとう、!ありがとう…。まさか貰えるとは思ってなかったから、、。ごめんね、泣いちゃった。先生のメンツ丸潰れだね、笑 そんな先生の言葉に対して私は精一杯の否定を音にした。 そんな事ない!、です。先生はどんな姿になっても、例え犯罪を犯したって、私の中では誰にも劣らない最高の先生であり続けます! 一息で喋ってから少し反省した。あれは先生の1つ前のコメントの論点からだいぶズレているのでは?と まぁ先生に対してそんな感情を抱いたのは事実だし。と割り切った。当の先生はというと鳩が豆鉄砲を食らったかのような呆けた表情をしていた。と思ったらいきなり笑い始めた あっはは!そーお?まぁありがとう。それと、もう私はいなくなるけど、元気でやるんだよ?
みお