ミステイク(第1章-2)

2  撮影スタジオに入るなり、見知った顔に遭遇した。 「こいつ、美嶋。深山ちゃんは知ってると思うけど、俺の後輩でカメラマン。今回からまた入って貰うことになった」  スタジオαのオーナー、相田がそう紹介する。 「美嶋と申します。宜しくお願い致します」  紹介された男―美嶋斉至が、喜多原に名刺を差し出した。 「こちらこそ宜しくお願い致します。喜多原と申します。名刺の持ち合わせがありませんので恐縮ですが、頂戴致します」  卒なく言ってのけ、喜多原が名刺を受け取った。 「ご無沙汰しております」
光沢 季環
光沢 季環
カクヨム→kindleに移行し、現代ドラマ系の小説を出版中です。 Noveleeさんでは、恋愛系の長編を投稿したいと思っています。宜しくお願い致します。 twitter→@mitsu_kiwa