金眼銀眼と夜の影と 壱

金眼銀眼と夜の影と 壱
「もしもし、そこ行くお嬢さん」 夜狐は薄く目を開いて言った。 「こんな山奥になんのごようで?」 夜狐は神である。それ故、声をかけた少女が人ならざるものだとも気が付いていた。それにしたって、少女は異質に見えたのだ。 「おきつねさんおきつねさん、ごしゅじんさましりませんか」
桐生印
桐生印