深海少年
俺はどこまで沈んでゆくのだろうか。
目を開けなくてもわかる、ここは深海だ。
軽く抱きしめるかのような水圧も、重力に従って沈む俺を撫でる水流も、髪の毛から足先まで感じる一貫した水温も、今や全てが心地いい。
ここは深海、深い深い意識も眠るこの深海で、俺を妨げるものは何も無い。
ゆりかごで眠る赤子に虫を放る者があるだろうか。
きっと誰もが部屋を暗くし、物音を立てぬようその場から去ることだろう。
濁流から離れ、意識を落とし、ただただ目を閉じてさえすればいい。
嗚呼、俺は今なんて幸せなのだろうか。
「沈みますか、浮かびますか?」
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2024/7/30 11:27
最終編集日時: 2024/7/30 11:28
Ego House
お久しぶりです、そうでない方は初めまして。
私悵虫と申します。