『第9回N1』時計おじさん

『第9回N1』時計おじさん
 彼女と喧嘩をした。 「あなたなんかもう知らないっ!出ていって!」  なんて言われると、どうすればいいかわからなくなって、 「あぁそうかよ。僕だって顔も見たくない!」  そう言って、勢いのまま家を出た。  玄関のドアが閉じる前にチラリと見た彼女の姿を思い出す。  肩を震わせて泣いていた。  喧嘩の発端は小さな不安からだった。  同棲を始めて2年、そろそろ結婚のプロポーズをしようとしていた今日この頃。どう言おうかとそわそわして口数が減った僕に、彼女は不安を抱いたらしい。  プロポーズしようと悩んでいたんだ!なんてこの状況で言えるはずもなく……。
花瀬 詩雨
花瀬 詩雨
ハナセ シウと申します。 よろしくお願いします(՞ ܸ. .ܸ՞)︎♡ アイコン ノーコピーライトガール様