第二巻 崩壊 第1章

第二巻 崩壊 第1章
※この作品は第一巻「上陸」の続編です。まだご覧になっていない方はそちらの作品からお読みになることを強くおすすめします。 第1章 戦端  防衛省市ヶ谷庁舎の地下指揮所には、夜になっても人工灯が昼のように輝いていた。  モニターの光が並ぶ壁の前に立ち、陸上幕僚長・東野剛は額に浮く汗を指先で拭った。  首都圏の地図上では、湾口から浦賀水道を抜け、東京湾岸へと向かう赤い航跡が点滅している。 「統合幕僚監部より報告。二十数体規模の目標、すでに東京湾入り口に到達。護衛艦『こんごう』、交戦後通信途絶。  ……海保第3管区所属の巡視船『いず』、一時的に映像信号喪失。」
June 4
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大好きな作家は星新一と東野圭吾、小松左京です。 「多彩な想像力で、感嘆を」をスローガンに頑張ります。