朝ぼらけ

東の方から突如現れた朝日は まず手はじめに、空と雲を桃色に染め上げると、 次に、波の流れの揺ら立つ海に その、円く眩しい光を、まっすぐ差し込ませた。 いずれその光ものぼって、すべてを包むようになると 海はいつも通りの、薄い青と緑の交わった姿に変わり、 雲の表の方は白色へ、その裏は灰色へと戻ってしまった。 そして、それを吊り下がって眺めるだけの木の葉も、 遂には地面に、自身の陰を落とすようになっていた。
後川
後川
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