物語のはじまり

 いつも通りの朝、目が覚めるととても憂鬱。朝日が妙に目障りで、起きるのが嫌だ。こんなのは毎日のこと。そう、私にとってはよくある話なのだ。    布団から出る。身体は妙に重い。  なぜなのか…  そんなことははじめからわかりきっていることだ。    舞台は黄昏の國・時塔という街。古くから栄えるこの街にはある秘密が隠されている。    この世界には“術“というものが存在する。“術“とは、普通の人間は持たない、ごく僅かな人間にだけ操ることができる特別な力のこと。これからの話はその“術“を操ることができる家系に生まれた、ある一人の少女の物語である。  
リス
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