フレイル=サモン〈CⅩⅩⅩⅩⅨ〉
サウラ国領土〈ジェノバ中央都市・ジェノバ王宮「食事塔」〉
「腹減ったぁ…」
青年が一人、呻きながら食事塔の1階〜3階までを登り終える。蹌踉とした足取りでここまでやってきた彼は、服装を見るに護衛隊員らしかった。
金髪のてっぺんから伸びた長いアホ毛の先端が、空腹に絶望する美顔の真上まで垂れている。
「だめだ。もう歩けないぃ……」
青年は近くの空のテーブルにぐったりともたれ掛かった。お腹が空いたからという理由だけでは説明がつかないほど、彼はすっかり意気消沈している。とーー
「はあ…ほら起きてコール。念願の朝食だろう」
それは、青年よりも少し後から塔を上がってきた別の男による嘆息だった。机に蹲った金髪の軍人を“コール”と呼んだ彼は、呆れた様子で自身の黒髪を掻く。
コールは残された力で反論しようとした。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/3/19 14:42
最終編集日時: 2025/3/20 3:51
クリオネ
※注釈※
時折り過去話に手を加える事があります
(大きく変えた場合は報告します)
定期的なご確認をお願いします。
novelee様の不具合か、
長い文章の一部が
途切れている場合があります。