独身(32)

独身(32)
もしも、今、私が不審な死を遂げたなら、この小説は遺書とでも捉えられてしまうのではないか。 そんなことがふと頭をかすめる。 弱っているのか? 別にそういう訳ではない。 不吉な考えをかき消すように、頭を左右に揺らす。 私はロウソクに火をつけた。 私しか見ることのないケーキの上の灯火は、どこか哀しげに揺れている。
末子 鷹蹴
末子 鷹蹴
基本読む専です。 気まぐれで投稿もします。