夢見図書館 第〇章「始まり」
高校の帰り道。昨日の雨でぐちゃぐちゃになったコンクリートを見つめていた。鞄の重さなんて忘れ見つめていた。自分でもなんで見つめていたのかなんて覚えていない。だけど、その小さな水たまりが少し寂しく感じた。
「いじめがなければ良かった。」
気づいた時にはそうつぶやしていた。水溜まりに話しかけるなんて恥ずかしい。
「じゃあ、そんな世界にしてあげようか」
そんな声があたりに響いたように感じた。あたりを見渡しても誰も見えない。足が震えたように感じた。体に残っていた少しの勇気で、立ち上がった。素早く立ち上がった。くるりと方向転換をし、足のアクセルを回した。が、少し遅かった。
ガッと足を強く掴まれたように感じた。恐る恐る振り返ると、雪の様に白い手袋を付けた人間なのか、人間じゃないのか分からない黒い物体が水溜まりから頭を出している。足を掴まれたのと同時に、顔から転んだ。
「助け・・・て・・・」
私は、手で硬くて硬くて硬すぎるコンクリートを引っ掻いた。だけど、残るのは白い蛇のような跡だけ。私は誰に助けを求めているのだろう。周りには誰もいないのに。もう体力の限界が来ている。足のほとんどは、どこに繋がっているのかも分からない水溜まりの中水の冷たい感覚が足に伝わる。冷たいのと同時に痛みも感じる。さっきの化物に噛まれたのか体の力がどんどん減っていく様に感じた。やばい死ぬのかも、そんな事を考えてしまう。寂しくて、寂しい。きっと、あの子もそう感じたのかもしれない。誰にも見守られずに消えていった。きっと、死んだらあの子に会えるよね。強くもがいていた手を止めた。体はどんどん動かなくなり、いつの間にか全身が水の中だった。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2026/10/10 10:20
最終編集日時: 2026/10/12 5:06
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
如月 織兎
ただの本オタクの学生です。色々なジャンルを書きたいと思っています。読んでくれたら嬉しいです。よろしくお願いします。