殺人鬼クリザンの日常 大晦日編

殺人鬼クリザンの日常 大晦日編
十二月三十一日(日) クリザンはテレビをつけ、夕飯を食べていた。年越しだろうがクリザンはそうめん一択。蕎麦なんぞクリザンにとっては邪道だ。 大晦日となるとやはりバラエティ番組が多い。クリザンは「あの騒がしい感じが無理」という理由で、バラエティ番組が嫌いだ。クリザンは眉をひそめながらリモコンを押し続け、やっとニュース番組を見つけた。 “次のニュースです。今年社会現象を巻き起こした謎の人物、殺人鬼クリザン。今までに起こした事件をまとめました。” 「なぁっ…!?」 やっとまともな番組を見れると安心していた所に不意を突かれてしまった。クリザンは妙な声を上げ、即座にテレビを消した。 いらんことをするんじゃない!事件はたったの二つなんだからみんな覚えてるだろ! クリザンは誰もいないリビングで一人テレビに向かって歯を食いしばった。 やっぱりこんな時期にテレビをつけるんじゃなかった。クリザンは少し疲れながらも、気を取り直してそうめんをすすった。 …クリザンは幼い頃、年末はいつも兄と市場へ行っていた。正月の為の買い出しだ。親に頼まれたものを買い、ついでにバレないように自分達の好きなものも買った。エビなら小さいので、親に見つからずに食べることができる。そんな兄のアイデアから生まれた。行きつけの鮮魚売りのおじさんに、レシートを分けてもらうよう頼んだのだ。クリザンはいつまで経っても、兄のいたずらな笑顔が忘れられなかった。親のことをとても辛く感じる毎日だったが、兄がいれば生きていけた。
鴉君。
鴉君。
カァー。こんばんは、カラスです。 とある通信制高校に通う鳥頭です。 投稿も反応もウルトラ激遅です。がんばります。 自分の作品に一つもいいねを押さずにフォローしてくる人は信用してませんのでご了承下さい。 Twitterもやっております。絵を載せてるだけですが良ければ。