花嵐をなぐ 1.巡る光

花嵐をなぐ 1.巡る光
「私と一緒に帰ろう。まほろ」 葉桜の季節。寂れたバスケットゴールが立つ夜の公園で、まほろは酷く風変わりで、人懐っこそうで、底抜けに明るい青年と出会った。 青年が差し伸べた手を取り、昨夜の雨で泥と茶色くなった桜の花びらが混ざった地面から腰を上げる。 まほろは青年と共にこの青年が住むという学生寮に行かなくてはならない。 中学三年生の秋、萩牡丹学園に敗れ、部活を引退し、少しずつチームメイトとの連絡も断ち、まほろは既に私立煌鐘学園(シリツコウショウガクエン)に入学していた。煌鐘学園は様々な分野の専門的な知識やハイレベルな教育が人気の名門校である。そして、まほろはその中のスポーツ学科に推薦で入学した。まほろの少し前を歩く青年も同じ煌鐘生らしい。その証拠に学園のグラウンドを突っ切って、敷地内の大きな学生寮の方向へと歩を進めている。 「あれ、ここじゃないんですか?」 「あぁ、私達の寮はまだもう少し先だ」
檎
小説初心者です! 読書と手芸が好きな学生です! 作品に関するアドバイスや感想を言っていただければありがたいです! プリ小説の方でも同じ檎(ごん)って名前で活動しています。夢小説じゃなく、もっと本格的な小説に興味があって始めました! よろしくお願いします!