りんねとねこ
拾ってください。そう書かれた段ボールには、一匹の子猫と子犬がいた。2匹が集まりお互いに慰める様子はこの小さな箱の中ではなかったら幸せに思えてたのだろうか。人間になりたい。常々猫はそう考えていた。人間になったら絶対に私たちのことを拾ってこうやって死んでいく仲間を減らせるのに。子犬は、生まれ変わったらまた一緒に、遊ぼうね、…。そんなことを考えながら重いまぶたが閉じていく。そうやって2匹は息を引き取った。
目が覚めたら人間にはなれなかった。また猫と犬として生まれた。今度はきちんとした飼い主に飼われることができた。前世が段ボールという小さな世界で過ごし消えた命としてはご飯と居場所があるだけで幸せだった。なのに人間からの愛を受け取ってもっと幸せだ…。ただたまに猫は思う。私たちが人間だったらこの飼い主に愛を返せるのかな…。犬はそんなこと考えてなさそうだ。でもそれも犬らしくてあいつらしく生きれてるなら良いかと思えてしまう。実際のところ犬も人間になって3人で愛を伝え会えたらと思っていた。そんな時飼い主が戻らなくなった。ただ飼い主とよくいた人間が家を出入りしたり大きな箱。白い小さな箱。嫌な線香の匂いがするようになった。猫と犬は何となくわかった。飼い主はもう戻ってこない。わかってからは、猫も犬もご飯を食べることも動くこともままならなくなった。最初はご飯を食べさせようとしてくれてた人間たちもだんだん諦めたのかご飯を無理に食べさせてくることは無くなった。そうして、痛みもなく2匹とも“安楽死”を受け入れまた転生することにした。
目が覚めた。今度は、視界にはもふもふした毛並みは写っていなかった。視界に入るのはいつも見てきた飼い主の体にそっくりな人間の体だった。「あぁ!やっとだ!やっと人間になれた!!」隣を見れば犬と同じ寝相をした人間がいた。きっとこいつは人間だがずっと一緒に時間を過ごしてきた犬だろう…!本能的に感じた勘と目の前に私たちを育ててくれた飼い主の姿が見えた。ここがどこか知らない。草木はないし、他の人間の姿も見当たらないからもしかしたら人間の世界でいう天国という場所なのかもしれない。だが今はそんなこともどうでも良く感じた。やっと人間になれた。犬と共に飼い主も人間のままこれで幸せになれる…!天国でも地獄でも何でも良い。死んでても良い。ただ彼らがいて今はただただ嬉しいんだ…。その思いを噛み締め今度は少し広い世界で生きてみようと思う。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2026/3/22 17:31
最終編集日時: 2026/3/22 17:32
神社応援(ジンジャーエール)
よろしくお願いします。