犠牲の傷介

「お気遣いどうも」 また優しくしてしまった、そのせいでワタシがすり減った。 無意識の偽善で動く身体が憎らしい、擦り込まれた洗脳に打ち勝てない。 だがしかし点数稼ぎで行ったわけではない。 ただ単に気持ち悪いのだ、見捨てたと思われても嫌だし。 それでああだこうだと言われる筋合いはない。 やらないよりはやった方がマシなのだ。 やはりこれは擦り込まれた洗脳ゆえなのだろうか… 「すみません落としましたよ?」 振り向くと落としてしまった財布、ワタシは慌てたふりをしながらあの言葉を言った。
山代裕春
山代裕春
初めまして、山代と申します! 気軽にヒロさん、ハルさんとお呼びください。