限りある死

限りある死
 この世は終わることすら許されないのか。病気はない。成人すれば老いることもない。事故に遭っても、たちまち身体は再生していく。毒ですら人類の敵ではなくなった。  死は上級階級のみが持つ権利だ。  貧しくもない、裕福と呼べるほどでもない俺は、庶民街の大通りで空を見上げた。すると、遠くで飛んでいた烏が羽ばたきを止め、地面に落下していったのだ。 「ママ、カラスが!」  背後から少女の声が聞こえ、振り返る。 「私もいつか、ああなっちゃうのー?」 「大丈夫だよ。私たちは死なないから」  『死なない』のではなく、『死ねない』の間違いだ。小さな溜め息を吐き、家路へと戻る。  何十年、何百年と生きてきた俺には『生』への執着は残っていない。世界が終わる時には、人類も一緒に――そう願って止まない。
七宮叶歌
七宮叶歌
恋愛ファンタジーな連載と、ファンタジー、時々現代なSSを載せています。エッセイも始めました。 フォロー、♡、感想頂けると凄く嬉しいです♩ 他サイトでは、小説家になろう、カクヨム、NOVEL DAYSで投稿しています。 NSS、NSSプチコン優勝者、合作企画関係の方のみフォローしています*ᵕᵕ お題配布につきましては、連載している『お題配布』の頁をご確認下さい。 小説の著作権は放棄しておりません。二次創作は歓迎ですが、掲載前に一言でも良いのでコメント下さい。 カクヨムにもいます。 2025.1.23 start Xなどはこちらから↓ https://lit.link/nanamiyanohako お題でショートストーリーを競い合う『NSSコンテスト』第5回は2026.9.1開催予定です。 優勝者  第1回 ot 様  第2回 ot 様  第3回 除草機1号様  第4回 黒鼠シラ様 NSSプチコンテスト 優勝者  第1回 黒鼠シラ 様