第ニ話「カウンセリングって、なんだっけ?」

第ニ話「カウンセリングって、なんだっけ?」
「でさ、ぶっちゃけ小花ちゃんはさ、学校とか家とかどう? まぁまぁ? イラつく? それとも“無”?」 カウンセリング開始5分。
小花は既に、ノートに書こうとした相談内容を3回丸めてゴミ箱に捨てていた。 (なんなの、この人…) 机の向かい、足を椅子に乗せてふんぞり返っている吉田先生は、どう見ても真面目な大人には見えなかった。
グレーのパーカーに、コーヒー染みのついたカーディガン。
それでも、どこか“壊れてない”空気を纏っているのが不思議だった。 「私、最近……夢が変なんです」 小花は、意を決して口を開いた。
吉田先生はスマホの画面を伏せ、ようやくまともな姿勢になった。 「お、聞こうじゃん。夢って、寝る方? 人生の方?」 「……寝る方です」 「だよねー、人生の夢なんて語るような歳じゃないよねぇ。はい、続けてどうぞ」 小花は言葉を選びながら、最近毎晩見る“同じ夢”の話をした。
暗い部屋。
にゃの桜
にゃの桜
本が好きで自分でも小説を書けるかなと思いアプリを入れました! 上手な事関係なく、楽しくやって行けたらと思っています!