さよなら-発端-

 「さよなら」 それが君と最後に交わした言葉だった。 ある夏の日の学校僕はいつものように虐げられていた。私物を隠され、仲間はずれにされて、ひどい時には水をかけられたりもした。その他にも数えきれないほどに被害はあって、でも辛いと感じたことは一度もない何故だか君の為なら我慢できた。   -あの日君はこの学校に転入して来た- 君の容姿はとても整っていて綺麗だった。僕も元々容姿は整っている方だといろんな人に言われて来た。それもあってか一躍学校内の人気者になってしまった。僕と君は席も近く、担任にも学校の案内やわからない事を教えるようにと言われ、君と一緒にいる事も多かった。僕はまだその時には気づいていなかった。いや、気づいていたけれど確実になるまで逃げ続けていたそっちの方が正しいだろう。君の名前は「早坂麗奈」といった、綺麗な君にぴったりな名前だと思う。そしていつしか「綺麗な顔をした君」と僕は色々な噂をされた。「付き合っている」だとか「お似合い」だとか、でもそれは君が麗奈がが虐げられる火種でしかなかった。その噂のせいで麗奈は一部の女子から反感を買ってしまった。そして最初は、悪口だとか実害は少なかったのにも関わらず、それはどんどん悪化していき私物を隠されたり、上靴の中にゴミが入っていたり、教科書が濡らされたり、机に落書きされたり、最初は男たちも止めていたがだんだんといじめに加わるようになり君は限界が来そうな顔をしていた。僕の口は勝手に開いた。-お前らいじめなんかやめろよ-あぁ言ってしまったその時僕は、俺は、やっと認めた「君が麗奈が好きだ」と。
Sumi
Sumi
疲れました誰か解放してくれる人はいませんか? 推しは山田涼介です。