瓶の中の宝石と深海

「ねぇ、そこで何してるの」 深海の暗い暗い海の底、キラキラしたものを触手で抱きしめながら怯えた目で相手を睨みつけている。 「そんなに警戒しなくても、大口で食べる趣味はないから安心して」 赤いエラに何重も重なった尖った歯は恐ろしい肉食種の人魚なのが見るにわかる。 警戒が解けず相手を睨み続けていると彼女は、仕方ないという様にしながら、瓶の横に腰掛けた。 「私の好みはエビや小魚なの、それに狩りならさっきしたから、貴方を食べる気はサラサラないのよ」 「そう言っても初対面、しかもこの海で肉食種のことを信頼しろなんて、無理にもほどがあるわ」
桔梗
桔梗