神様の花嫁3
藤色の着物に身を包み、白髪を結いあげた女性は、ゆっくりと歩みを進めながらこちらへやってくる。
「はじめまして。母でございます。」
深々とお辞儀をする女性は、どうやら「主人」の母らしい。その証拠に、女性の目も金色の目に黒い楕円形の瞳だった。
「お邪魔してもいいかしら。」
「は、はい、どうぞ…。」
女性は履き物を脱ぐと、そろえてから部屋に入ってきた。いつの間にか座布団が用意されており、「主人」に近いところで正座した。
「あなた、お名前は?」
「明美です、相澤明美…。」
「明美さんね。ようこそ。」
また深々とお辞儀をされた私は、なんだか申し訳ない気分になった。
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カテゴリー: ホラー
投稿日時: 2024/8/16 8:34
かづき
気ままに書いていきます!