神様の花嫁3

藤色の着物に身を包み、白髪を結いあげた女性は、ゆっくりと歩みを進めながらこちらへやってくる。 「はじめまして。母でございます。」 深々とお辞儀をする女性は、どうやら「主人」の母らしい。その証拠に、女性の目も金色の目に黒い楕円形の瞳だった。 「お邪魔してもいいかしら。」 「は、はい、どうぞ…。」 女性は履き物を脱ぐと、そろえてから部屋に入ってきた。いつの間にか座布団が用意されており、「主人」に近いところで正座した。 「あなた、お名前は?」 「明美です、相澤明美…。」 「明美さんね。ようこそ。」 また深々とお辞儀をされた私は、なんだか申し訳ない気分になった。
かづき
かづき
気ままに書いていきます!