いつまで経っても君は夏に取り残されたまま。
誰かを愛せないと誰からも好きになってもらえないじゃないか。
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葵は、今の僕をみるとどう思うだろうか。冷め切った瞳に赤く染まった僕のTシャツ。眉を歪ませ、ナイフを持っている僕を。
「……………」
以前の彼なら、真っ先に僕に飛びかかってくれた。いいや、それが僕の理想だったのだ。けれども、葵は僕を軽蔑した目でこちらを睨んでいる。
『君と僕は友達だろう?』
そう、葵が言葉を放つ。ただ、ぶっきらぼうに。友達か……いつから、君はそんな無愛想になってしまったのだろうね。ただその言葉を俺がどう捉えるかなんて考えていないだろうに。
「そうだね。」
曖昧な返事をすると君が困ってしまうだろう。そう、だから僕は泡沫のように。ただ何事もなかったかのように素っ気なくその場を取り繕ってしまった。その時の僕は、得体の知れない"ナニカ"に怯えていてどんな顔をしていたのかなんて考えもしなかった。怖かった。この恐怖心は一体どこに向けられているのか。それすらも、わからない自分にも怯えていたのかもしれない。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/11/22 19:34
最終編集日時: 2025/11/30 16:49
いろ