シクラメンの咲く丘で①
「この店まだやってたんだ。どうせ誰も来やしないのに。」
この山奥の喫茶店は、昔近くの村に住んでいた彼女にとって憩いの場であった。レトロだとか言ってられないほどに古くなっている店の外観は、感慨深いものがある。
喫茶店の年季の入ったドアを開けて、入った。
鉄の錆びた、耳を劈くような音がした。
「いらっしゃい。どこでもどうぞ。」
軽い会釈を受けた。彼女が通い詰めていた十数年前のマスターは忙しそうにコップを拭きながら客の相手をしていたが、今や拭くコップすらない。彼女にとっては、とても新鮮だった。
あの頃はまだ若かったマスターも、ロマンスグレーになっていた。
「マスター、覚えてる?十何年か前によく来てた、榊原 芽衣。」
「もしかして、いつもココア飲んでたメイちゃんでしょうか?」
「そう!いっつもココア飲んでたメイ!久しぶりだねマスター。」
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/3/23 15:33
最終編集日時: 2025/4/3 16:51
あいびぃ
初めまして、あいびぃです!
見つけてくれてありがとう♪
私自身、生粋のアニオタ・漫画オタなのでファンタジーが多めになってます…多分。
詳しいことは「自己紹介」にて!
まだまだ若輩者なので、応援よろしくお願いします!